★オービス事件(最高裁昭61年2月14日)

 Xは彼女を助手席に乗せ、都内の高速道路をぶっ飛ばしていましたが、走行するうちに制限速度60キロオーバーでオービス(自動速度監視装置)によりパシャリと撮られてしまいました。
 Xは、オービスによる写真撮影は、承諾なしに運転者と同乗者の容貌を撮影することは憲法13条の肖像権・プライバシー権を侵害するとし、また、運転者が同乗者と一緒にいるところを撮影することは憲法21条の集会、結社、表現の自由を侵害するものであるとして争いました。



☆関連憲法条文は?


  憲法第13条【幸福追求権・公共の福祉】
    「全て国民は、個人として尊重される。
     生命、自由及び幸福に対する国民の権利については、
     公共の福祉に反しない限り、
     立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」

  憲法第21条【集会・結社・表現の自由】
    1項 「集会、結社及び言論、
       出版、その他一切の表現は
       これを保証する。」

☆争点1 オービスによる写真撮影は、憲法第13条、第21条に違反するか?
  No、違反しない。

  本件自動速度監視装置による運転者の容貌の撮影は、現に犯罪が行われている場合になされ、犯罪の性質態様からいって、緊急に証拠を保全する必要があり、その方法も一般的に許容される限度を超えない相当なものであるから、憲法13条に違反せず、また、右写真撮影の際、運転者の近くにいるため除外できない同乗者の容貌を撮影することになっても、京都府学連デモ事件(最大判昭44年12月24日)の趣旨に照らしても明らかである。

☆争点2 オービスによる写真撮影は、憲法第14条、第31条、35条、37条に違反するか?
  No、違反しない。

  憲法14条、31条、35条、37条違反という点は、本件装置による速度違反車両の取締りは、Xが主張する不当な差別をもたらし、違反者の防禦権を侵害し、あるいは囮捜査に類似する不合理な捜査方法であるとは認められず、Xの主張はいずれも前提を欠き、適法な上告理由に当たらない。
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