★「宴のあと」事件(東京地判昭39年9月28日)

 三島由紀夫は、実際に起こった政治家Xと料亭の女将との出会いから破局までを題材にしたモデル小説「宴のあと」を出版しました。
 これに対してXはプライバシーの侵害を理由に謝罪広告と損害賠償を請求し提訴しました。


☆関連憲法条文は?


  憲法第13条【幸福追求権・公共の福祉】
    「全て国民は、個人として尊重される。
     生命、自由及び幸福に対する国民の権利については、
     公共の福祉に反しない限り、
     立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」

☆争点1 プライバシーをみだりに公開されない権利は憲法上保障されているか?
  Yes、保障される。

  近代法の根本理念の一つであり、また、日本国憲法のよって立つところでもある個人の尊厳という思想は、相互の人格が尊重され、不当な干渉から自我が保障されることによってはじめて確実なものとなるのであって、そのためには正当な理由がなく他人の私事を公開することが許されてはならないことは言うまでもならないところである。

☆争点2 プライバシーの侵害に対して、基準はあるか?
  Yes、ある。

  プラバシーの侵害に対して法的な救済が与えられるためには、公開された内容が
  イ)私生活上の事実、または私生活上の事実らしく受けとられるおそれのある事柄であること。
  ロ)一般人の感受性を基準にして当該私人の立場に立った場合、公開を欲しないであろうと認められる事柄であること。
  ハ)一般の人々に未だ知られていないこと。
を必要とし、このような公開によって当該私人が実際に不快・不安の念を覚えたことを必要とするが、公開されたところが当該私人の名誉・信用という他の法益を侵害するものであることを要しないのは言うまでもない。
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